宅建士試験講座 宅建士とは?宅建士になるには?宅地建物取引士ができること

宅建士(宅地建物取引士)

[本ページはプロモーションが含まれています]
不動産の売買や賃貸契約は、多くの人にとって人生の中でも大きな取引のひとつです。こうした重要な場面で、消費者を守りながら取引を適正に進める専門家が「宅建士(宅地建物取引士)」です。

宅建士は、不動産業界で働く人にとって非常に重要な国家資格であり、就職・転職・キャリアアップにも直結する資格として高い人気があります。また、法律系資格の入門としても位置づけられており、初学者でも挑戦しやすい点も魅力です。

この記事では、「宅建士とはどういう人か」「宅建士になるにはどうすればいいのか」「宅建士にはどんな役割や独占業務があるのか」を、これから受験を考える方にも分かりやすく解説します。

宅建士とは

宅建士とは、
(1)都道府県知事が行う宅地建物取引士資格試験に合格し、
(2)当該試験を行つた都道府県知事の登録を受け、
(3)登録をしている都道府県知事から宅地建物取引士証の交付を受けた
人をいいます。

宅建士になるには

宅建士になるまでの流れは、大きく4つのステップに分かれます。

1. 宅建士試験に合格する
宅建士試験は、一度合格すれば生涯有効です。

■ 不正受験は「合格取消」+「3年以内の受験禁止」(宅建業法17条)
都道府県知事は、不正の手段によつて試験を受け、又は受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその試験を受けることを禁止することができます(宅建業法17条1項)。

都道府県知事は、合格決定の取消、又は宅建士試験受験の禁止処分を受けた者に対し、情状により、3年以内の期間を定めて試験を受けることができないものとすることができます(宅建業法17条3項)。

■ 旧「宅地建物取引主任者試験」と現行「宅建士試験」の違い
2015年の法改正により「宅地建物取引主任者」は「宅地建物取引士」に名称変更されました。
試験内容や独占業務に大きな変更はなく、基本的な役割は同じです。
ただし、「士業化」により専門職としての責任や倫理規定が強化されている点が特徴です。

なお、旧「宅地建物取引主任者試験」した人は、「宅地建物取引士」試験に合格したとみなされます(宅建業法附則(平成26年6月25日法律第81号)2条)。

2. 宅建士の登録要件を満たす
試験に合格しただけでは、まだ宅建士にはなれません。登録を受けるためには、次の2点を満たす必要があります(宅建業法18条1項)。

(1) 実務または講習の要件
以下の【1】【2】いずれかの要件を満たす必要があります。

【1】実務経験がある場合
・不動産取引に関する実務経験が2年以上あること
宅建業法施行規則第13条の15

【2】実務経験がない場合
次のいずれか1つに該当すれば足ります。
・登録実務講習を修了した者
・公的機関等で不動産の取得・処分業務に2年以上従事した者
・その他、国土交通大臣が同等以上の能力を有すると認めた者
宅建業法施行規則第13条の16

実務経験がない場合でも、講習を受ければ登録できるため、多くの受験生が登録実務講習修了制度を利用しています。

(2) 欠格事由に該当しないこと
これは、宅地建物取引業法第18条1項に基づく登録の前提条件です。

具体的には、以下のような場合は登録を受けることができません。

  • 一定の刑罰(禁錮以上の刑など)を受けてから一定期間が経過していない
  • 宅建業法違反により処分を受けた後、一定期間が経過していない
  • 破産者で復権を得ていない
  • 不正・不誠実な行為を行うおそれがある者 など

※実際には12個の「欠格事由」が定められています。

宅建士資格登録は任意で、一度登録すれば有効期限はなく生涯有効です。

3. 都道府県知事に登録申請をする(宅建業法19条)
登録要件を満たしたら、都道府県知事に対して「宅地建物取引士資格登録」の申請を行います。

この登録により、正式に宅建士としての資格を持つことになります。

4. 宅建士証の交付を受ける(宅建業法22条の2)
宅建士の登録を受けることで、宅建士登録している都道府県知事に対し、宅地建物取引士証の交付を申請することができます。
宅建士証が交付されてはじめて、正式に「宅地建物取引士」として業務(独占業務)を行うことができるようになります。

なお、宅建士証の交付を受けるためには、原則として交付の申請前6ヶ月以内に行われる都道府県知事が実施する法定講習を受講する必要があります。
例外として、
・試験に合格した日から1年以内に宅建士証の交付を受けようとする者
・都道府県をまたいで登録を移転した際、移転後の都道府県知事から宅建士証の交付を受ける場合
は講習が免除されます。

宅建士ができること、宅建士でないとできないこと

宅建士には「独占業務」と呼ばれる、宅建士だけが行える重要な業務があります。

1. 重要事項の説明
不動産の売買や賃貸契約を結ぶ前に、

  • 物件に登記された権利
  • 法令上の制限
  • インフラ状況
  • 契約解除に関する事項
  • 手付金等の保全措置の概要
  • ローン不成立の場合の措置

など、
物件や取引条件等について重要な事項を説明する業務です。

2. 重要事項説明書(35条書面)への記名押印

3. 契約書(37条書面)への記名押印

なお、これら3つの業務は宅建士であればよく、専任の宅建士である必要はありません。

宅建士とは?宅建士になるには?宅地建物取引士ができることの典型的な問題と解説

【問1】宅地建物取引士になるために必要なものとして正しいものはどれか。

1. 宅建士試験の合格のみ
2. 宅建士試験合格+登録
3. 宅建士試験合格+登録+宅建士証の取得
4. 宅建士試験合格+実務経験5年

解答:3
試験合格後、登録・宅建士証の交付が必要。宅地建物取引業法第18条

【問2】宅建士試験の合格は何年有効か?

1. 5年
2. 10年
3. 一生有効
4. 3年

解答:3
宅建士試験の合格には有効期限がない。ただし、宅建士証は5年ごとに更新。

【問3】登録実務講習が必要となるのはどのケースか?

1. 実務経験が2年以上ある
2. 実務経験がない
3. 宅建士証を更新する場合
4. 宅建業者に勤務している場合

解答:2
実務経験がない人は「登録実務講習」を受ける必要がある。

【問4】宅建士の独占業務でないものはどれか。

1. 重要事項の説明
2. 35条書面への記名押印
3. 37条書面への記名押印
4. 不動産の売買契約締結そのもの

解答:4
契約締結自体は宅建士の独占業務ではない。

【問5】宅建士証の有効期間は何年か。

1. 3年
2. 5年
3. 10年
4. 無期限

解答:2
宅建士証の有効期間は5年。宅地建物取引業法第22条の2

【問6】宅建士証がなければできない業務はどれか。

1. 重要事項説明
2. 物件の広告作成
3. 不動産の査定
4. 契約交渉

解答:1
重要事項の説明は宅建士証を携帯した宅建士のみ実施可能。

【問7】宅建士試験合格後すぐにできることはどれか。

1. 宅建士として独占業務を行う
2. 登録を受ける
3. 宅建士証の交付を受ける
4. 自動的に宅建士になる

解答:2
宅建士試験合格→宅建士登録→宅建士証の交付→宅建士として独占業務を行う

【問8】宅建士になるための登録要件として正しいものはどれか。

1. 実務経験10年
2. 実務経験2年または登録実務講習修了
3. 大学卒業
4. 年齢制限なし

解答:2
宅地建物取引業法施行規則第13条の15宅地建物取引業法施行規則第13条の16

【問9】宅建試験における不正受験のペナルティとして正しいものはどれか。

1. その年の合格が取り消されるだけで、翌年は受験できる
2. 合格が取り消され、最大5年間の受験禁止処分を受けることがある
3. 合格が取り消され、最大3年間の受験禁止処分を受けることがある
4. 不正が判明しても、登録後の場合は登録が優先される

解答:3
不正受験をした場合、合格が取り消されるだけでなく、情状により3年以内の期間、受験を禁止されることがあります(宅建業法施行規則15条の5の2)。

【問10】合格後、10年経過してから初めて登録を受ける場合について正しいものはどれか。

1. 試験を再受験し、合格し直す必要がある
2. 試験合格の効力は失われていないが、登録前に法定講習を受講する必要がある
3. 2年以上の実務経験があれば、講習なしで登録できる
4. 10年経過しているため、登録実務講習を2回受けなければならない

解答:2
合格は無効になりませんが、合格から1年を超えているため、登録後の宅建士証交付申請前に法定講習を受ける必要があります。

宅建士とは?宅建士になるには?宅地建物取引士ができることのひっかけ問題と解説

【問1】宅建士試験に合格すれば自動的に宅建士になれる。

解答:×
宅建士になるには登録が必要。

【問2】宅建士の登録には有効期限がある。

解答:×
登録自体に期限はない。

【問3】宅建士証の更新は不要である。

解答:×
宅建士証は5年ごと更新。

【問4】宅建士でなくても35条書面に記名できる。

解答:×
35条書面への記名押印は宅建士の独占業務。

【問5】登録実務講習を受ければ必ず宅建士になれる。

解答:×
宅建士試験合格が前提。

【問6】宅建士証の交付には必ず法定講習が必要である。

解答:×
合格後1年以内は免除など免除規定あり。宅地建物取引業法第22条の2

【問7】宅建士は物件の価格査定を独占的に行える。

解答:×
価格査定は宅建士の独占業務ではない。

【問8】宅建士証の有効期間は、登録している都道府県によって異なる。

解答:×
全国共通で5年。

【問9】宅建士は不正受験をすると合格取消だけで済む。

解答:×
合格取消+最大3年受験禁止。

【問10】宅建士証の交付は、試験合格から1年以内なら講習不要である。

解答:〇
法定講習は原則必要だが、合格から1年以内は免除。

<宅建士試験講座 宅建業法シリーズ>
宅建士試験講座 宅地建物取引業とは?宅地、宅建業、宅建業法上の事務所の定義

宅建士試験講座 宅地建物取引業の免許の種類、登録申請先、有効期間、宅建業者名簿、免許証、廃業等の届出

宅建士試験講座 宅地建物取引業の免許換え、みなし業者と無免許営業特例、無免許営業・名義貸しの禁止

宅建士試験講座 宅地建物取引業者の免許の欠格要件・欠格事項(宅建業法5条)

宅建士試験講座 宅建士とは?宅建士になるには?宅地建物取引士ができること

宅建士試験講座 宅建士登録の欠格事由.宅地建物取引士欠格要件(宅建業法18条1項)

宅建士試験講座 宅建業法18条1項(宅建士欠格)vs 5条1項(宅建業者免許欠格)の違い、条文対比

宅建士試験講座 宅建士登録申請と宅建士資格登録簿、登録変更、登録消除、登録移転

宅建士試験講座 宅地建物取引士証(宅建士証・取引士証)有効期間、提示、記載事項、書換え・再交付、返納・提出

宅建士試験講座 不動産業者・宅建業者の営業保証金とは?営業保証金の仕組み、供託、還付、取戻し

宅建士試験講座 不動産業者の保証協会の弁済業務保証金の仕組、弁済業務保証金分担金、供託、還付、取戻し・返還

宅建士試験講座 不動産取引における仲介、媒介契約、代理契約とは?仲介と媒介、代理の違いは?

宅建士試験講座 不動産取引の媒介契約の種類.一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の違いは?

宅建士試験講座 不動産の売買・交換の媒介・代理契約書面(34条の2書面)の交付義務と記載事項

宅建士試験講座 宅建業法広告規制.誇大広告の禁止、広告開始時期、取引態様の明示義務など

タイトルとURLをコピーしました