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不動産会社に賃貸の仲介を依頼すると、「仲介手数料」や「報酬」が発生します。
しかし、宅建業者(不動産会社)が自由にいくらでも請求できるわけではありません。
宅地建物取引業法では、依頼者を保護するため、宅建業者が受け取れる報酬額に上限が定められています。
特に賃貸借では、
・「媒介」と「代理」で違いがあるのか
・居住用と事務所・店舗で違うのか
・権利金がある場合はどうなるのか
・複数の不動産会社が関与した場合はどうなるのか
という点が重要です。
この記事では、宅建業法・告示の根拠を踏まえながら、賃貸借における報酬規制を具体例付きでわかりやすく整理していきます。
売買・交換の通常の場合
媒介・代理の場合
賃貸借において、宅建業者の報酬額は、原則として「賃料」を基準に計算します。
たとえば、
・月額家賃10万円
・管理費別
・普通賃貸借契約
であれば、この「10万円」を基準として報酬額を考えます。
宅建業者が受け取れる報酬の上限は、
・媒介(仲介)の場合
・代理の場合
のどちらであっても、合計で賃料の1か月分以内です。
つまり、家賃10万円なら、受け取れる報酬総額は最大10万円となります。
媒介と代理の違い
・媒介
媒介とは、貸主と借主の間に入って契約成立をサポートすることです。
不動産会社はあくまで「橋渡し役」であり、契約当事者にはなりません。
・代理
代理とは、不動産会社が貸主などの代理人として契約行為を行うことです。
たとえば、
・オーナーから代理権を与えられ
・入居者募集から契約締結まで行う
ようなケースです。
ただし、代理であっても、賃貸借では報酬総額の上限は「家賃1か月分」です。
使用貸借の場合
使用貸借とは、賃料を取らずに無償で貸す契約です。
・親族間で無償使用
・知人にタダで貸す
などです。
この場合は賃料が存在しませんが、報酬計算では「通常の賃料」を基準にします。
つまり、
「もし通常の賃貸借なら家賃はいくらか」
を基準として報酬額を計算します。
居住用建物の賃貸(貸借)の場合
「アパート」「マンション」「戸建住宅」など、人が住むための建物については、報酬の取り方に追加ルールがあります。
居住用建物の賃貸借の媒介の場合
原則:貸主借主から0.5か月まで
居住用建物の賃貸借を媒介する場合、宅建業者は原則として、
・貸主から0.5か月分まで
・借主から0.5か月分まで
しか受け取れません。
つまり、合計は1か月分以内ですが、さらに「片側0.5か月分」という制限があります。
具体例① 原則形
・家賃10万円
・居住用マンション
・X不動産が媒介
この場合、
・貸主から5万円
・借主から5万円
合計10万円まで受け取れます。
例外:片側から多く受け取れる場合
居住用建物の賃貸の媒介の依頼を受ける時点で、依頼者の承諾を得ている場合には、片側から0.5か月分を超えて受け取ることができます。
「承諾」は、0.5か月分を超えて負担する側から得る必要があります。
例えば借主から1か月分受領するなら、借主の承諾が必要であり、貸主の承諾だけでは足りません。
具体例① 借主から1か月分受領したい
・家賃10万円
・貸主0円
・借主10万円
この場合は、
✅ 借主の承諾が必要
❌ 貸主の承諾だけでは不可
です。
なぜなら、借主が0.5か月分を超えて負担するからです。
具体例② 貸主から1か月分受領したい
・家賃10万円
・貸主10万円
・借主0円
この場合は、
✅ 貸主の承諾が必要
❌ 借主の承諾だけでは不可
です。
居住用建物の賃貸借の代理の場合はどうなるのか?
代理の場合も、宅建業者が受け取れる報酬総額は「賃料の1か月分」が上限です。
ただし、居住用建物であっても、媒介の場合のような「依頼者一方から0.5か月分まで」という制限はありません。
そのため、代理では、
・貸主から1か月分
・借主から0円
という受領方法も可能です。
権利金がある場合
権利金とは?
権利金とは、
・賃借権設定の対価として支払われ
・原則として返還されないお金
です。
たとえば店舗賃貸で、
「この場所で営業できる権利への対価」
として支払われるケースがあります。
敷金との違い
敷金とは、
・退去時に返還される可能性がある
・預り金的性質
→ 権利金ではない
居住用以外では特別ルールがある
事務所・店舗など、居住用以外の賃貸借では、返還されない権利金を「売買代金」とみなして報酬計算できます。
「売買の報酬計算式」
を使えるということです。
そして宅建業者は、
・家賃1か月分で計算する方法
・権利金基準で計算する方法
のうち、高い方を選択できます。
具体例④ 店舗賃貸
・月額賃料:20万円(税抜)
・権利金:600万円(返還なし)
・居住用以外の賃貸借
パターン① 家賃基準
賃料1か月分なので、
最大20万円 + 消費税相当額
パターン② 権利金基準
権利金600万円を「売買価格」とみなします。
売買の報酬計算では、
200万円以下部分:5%
200万円超〜400万円以下部分:4%
400万円超部分:3%
で計算します。
200万円 × 5% =10万円
200万円 × 4% =8万円
200万円 × 3% =6万円
合計24万円
さらに消費税等を加算できます。
どちらを選べる?
いずれか高い方を業者が選択できます。
・家賃基準:20万円
・権利金基準:24万円
なので、この場合は権利金基準を選べます。
なぜこんな制度がある?
店舗や事務所では、権利金が高額になるケースがあります。
そのため、単純に「家賃1か月分」だけでは、業者の業務量に見合わない場合があるためです。
注意点
この特例は、
・居住用建物には使えません
・返還されない権利金だけが対象です
つまり、
・住宅賃貸
・敷金
・保証金(返還部分)
などには適用されません。
定期建物賃貸借の再契約
権利金ルールは、定期建物賃貸借の再契約でも適用されます。
店舗の定期借家契約などで実務上よく問題になります。
複数の業者がかかわる場合
1つの賃貸借契約に、3社以上の宅建業者が関わることがあります。
この場合、試験では次の2つのフィルター(条件)をどちらもクリアしているかをチェックします。
・【フィルター1】各業者の個別チェック:それぞれの業者が、自分の依頼者から法律の上限を超えてもらっていないか?
・【フィルター2】全体の合計チェック:登場するすべての業者がもらう報酬を足した合計額が、「賃料1ヶ月分」に収まっているか?
よくある2つのパターン(場合分け)で、具体例を見ていきましょう。
パターン①:非居住用建物で、貸主側に1社、借主側に2社(計3社)いる場合
貸主側は1社ですが、借主側には2社の業者が協力してついているケースです。
・事例条件
物件:店舗(月額賃料 30万円)
貸主側:業者A(1社)
借主側:業者B と 業者C(2社で共同媒介)
1. 各立場の「個別チェック(フィルター1)」
貸主側の業者A:店舗(居住用以外)なので、貸主から単独で最大「30万円」まで受け取ることができます。
借主側の業者B・C:2社合わせて、借主から最大「30万円」まで受け取ることができます(例:Bが15万、Cが15万など)。
2. 全体(A・B・C)の「合計チェック(フィルター2)」
それぞれの立場で上限いっぱい(Aが30万、B・Cが計30万)を受け取ってしまうと、全体の合計が60万円になってしまい宅建業法違反になります。業者A + 業者B + 業者C の総合計が「30万円」を超えてはなりません。
・❌ NGとなる違反例
業者A:貸主から 30万円 受領(自身の限度額内)
業者B・C:借主から 計30万円 受領(2社の限度額内)
👉 各自の限度額は守っていますが、3社の総合計が60万円(2ヶ月分)になり【フィルター2】違反で全員アウトです。
・⭕ 合法となる正しい配分例
業者A:貸主から 15万円 受領
業者B:借主から 5万円 受領
業者C:借主から 10万円 受領
👉 3社の総合計:15万 + 5万 + 10万 = 30万円(賃料1ヶ月分)となり、これで全員セーフです。
パターン②:非居住用建物で、貸主側に2社、借主側にも2社(計4社)いる場合
貸主側にも借主側にも、それぞれ2社ずつの業者が協力して絡んでいる、最も複雑なケースです。
・事例条件
物件:店舗(月額賃料 30万円)
貸主側:業者W と 業者X(2社で共同媒介)
借主側:業者Y と 業者Z(2社で共同媒介)
1. 各立場の「個別チェック(フィルター1)」
貸主側(W・X):2社合わせて、貸主から最大「30万円」まで。
借主側(Y品・Z):2社合わせて、借主から最大「30万円」まで。
2. 全体(W・X・Y・Z)の「合計チェック(フィルター2)」
こちらも、登場する4社すべての報酬を合算します。
「貸主側チームで30万、借主側チームで30万をもらって、それぞれで山分けすればいい」とはなりません。
業者W + 業者X + 業者Y + 業者Z の総合計が「30万円」を超えてはなりません。
・❌ NGとなる違反例
WとXが、貸主から15万円ずつ(チーム計30万円)もらう
YとZが、借主から15万円ずつ(チーム計30万円)もらう
👉 各チーム内では30万円に収まっていますが、4社の総合計が60万円になるため、全員が宅建業法違反です。
・⭕ 合法となる正しい配分例
4社全員でもらえる報酬の総枠が「30万円」です。これを全員で分け合う必要があります。
業者W:貸主から 7.5万円 受領
業者X:貸主から 7.5万円 受領
業者Y:借主から 7.5万円 受領
業者Z:借主から 7.5万円 受領
👉 4社の総合計:7.5万 × 4 = 30万円(賃料1ヶ月分ぴったり)となり、これで全員が合法となります。
パターン③:居住用建物で、貸主側・借主側合わせて3社以上ある場合
居住用建物の場合は、これまで解説した「全体の合計が1ヶ月分(+消費税)まで」というルール(フィルター2)に加え、「原則として片方からは0.5ヶ月分(+消費税)まで(承諾があれば1ヶ月分まで)」という居住用特有の制限(フィルター1)が重くのしかかります。
・事例条件
物件:居住用アパート(月額賃料 10万円)
貸主A ―― 媒介依頼 ―― 業者X(1社)
借主B ―― 媒介依頼 ―― 業者Y と 業者Z(2社で共同媒介)
※貸主A、借主Bともに「0.5ヶ月分を超えて支払う」という事前の承諾は出していないものとします。
1. 各立場の「個別チェック(フィルター1)」
貸主側の業者X:
居住用で承諾がないため、貸主Aから受け取れるのは原則通り「0.5ヶ月分(5万円)」が上限です。
借主側の業者Y・Z:
居住用で承諾がないため、借主Bから受け取れるのは2社合わせて「0.5ヶ月分(5万円)」が上限です。
(例:Yが2.5万円、Zが2.5万円など)
2. 全体(X・Y・Z)の「合計チェック(フィルター2)」
3社の総合計:
X(5万円)+ Y・Zの合計(5万円)= 10万円(賃料1ヶ月分)
このケースでは、Xが5万円、YとZが2.5万円ずつ分けるような配分であれば、個別の上限(0.5ヶ月分縛り)も、全体の合計上限(1ヶ月分縛り)も同時にクリアするため合法となります。
パターン④:店舗の貸主・借主に「別々の代理業者」がついた場合
・事例条件
物件:店舗(月額賃料 30万円)
貸主 ―― 代理依頼 ―― 業者X
借主 ―― 代理依頼 ―― 業者Y
1. 結論:XとYは、それぞれ「30万円ずつ」丸ごと受け取ることができます
「2社合わせて1ヶ月分(30万円)まで」という制限は、代理の場合には適用されません。業者Xは貸主から30万円、業者Yは借主から30万円まで合法的に受け取ることができます。
2. なぜ「合計2ヶ月分」がOKなのか?(媒介との決定的な違い)
・媒介(第四)のルール:
条文に「複数の業者が絡む場合、すべての業者が受ける報酬の合計額は、賃料の1ヶ月分を超えてはならない」と明記されているため、何社いようが全員を足して1ヶ月分が限界です。
・代理(第五)のルール:
代理の条文にある1ヶ月分の合算制限は、「同一の業者が、自分の依頼者と相手方の両方から報酬をもらう場合」にしか発動しません。
今回のケースでは、業者Xは貸主(自分の依頼者)からしか報酬をもらっておらず、相手方(借主)からはもらっていません。業者Yも同様です。お互いにブレーキの条件に引っかからないため、別々の業者であれば、それぞれが自分の依頼者から上限である「家賃1ヶ月分(30万円)」を独立して受け取って構わないのです。
売買と賃貸では、宅建業者が受け取れる報酬規制の考え方がかなり異なります。
特に大きな違いは、
・売買:双方からそれぞれ上限まで受領可能
・賃貸:全体合計で1か月分が上限
という点です。
1.売買の場合
売買では、宅建業者は、
・売主
・買主
の双方から、それぞれ報酬を受け取れます。
(1) 具体例
売買価格3,000万円
売買の媒介報酬上限は、
3000万円×3%+6万円=96万円(税抜)
です。
したがって、
・売主から96万円
・買主から96万円
受領可能です。
(2) なぜ売買は双方から取れるのか?
売買では、
・売主側への活動
・買主側への活動
が独立して大きく、双方の利益調整も重いためです。
そのため、双方それぞれについて上限額が設定されています。
2.賃貸の場合
賃貸借では、
「契約全体で賃料1か月分」
が上限です。
・貸主
・借主
双方合わせて1か月分までしか受領できません。
(1) 具体例
家賃10万円
賃貸媒介なら、
・貸主5万円
・借主5万円
でも、
・貸主0円
・借主10万円(承諾あり)
でも、
合計10万円までです。
3.では複数業者なら増える?
・元付業者
・客付業者
の2社がいても、
賃貸では全体で1か月分までです。
4.なぜ賃貸は厳しい?
賃貸は、
・契約金額が売買より小さい
・居住保護の必要が強い
・借主負担が過大になりやすい
ため、報酬規制がかなり厳しくされています。
特に居住用建物では、「片側0.5か月分制限」まであります。
5.ただし例外がある
事務所・店舗などで、
・高額権利金
・返還されない一時金
がある場合には、
権利金を売買代金とみなして計算できる特例があります。
そのため、店舗賃貸では賃料1か月分を超えるケースもあります。
宅建業法不動産賃貸(貸借)の媒介、代理の報酬・手数料.複数業者の時は?の典型問題と解説
【問1】貸主Aと借主Bは、居住用建物(賃料12万円)の賃貸借契約を締結しようとしている。宅建業者Xは、A・B双方から媒介を依頼されている。A・Bともに「0.5ヶ月を超えてよい」という承諾はしていない。業者Xが貸主Aから受領できる報酬の税込上限額はいくらか。
解答:6万6千円
居住用建物の媒介は、一方から0.5ヶ月まで、合計1ヶ月まで。
【問2】貸主Aは、居住用建物(賃料10万円)の賃貸借について、宅建業者Xに媒介を依頼した。Aは「0.5ヶ月分を超えてもよい」と承諾している。業者Xが貸主Aから受領できる報酬の税込上限額はいくらか。
解答:11万円
承諾があれば、居住用建物でも一方から1ヶ月まで可能。
【問3】貸主A・借主Bの居住用建物(賃料8万円)の媒介を宅建業者Xが行った。業者XはAから6万円、Bから6万円を受領した。この受領は適法か。
解答:違法
A+B=12万円>8万8千円(=1ヶ月分)
【問4】貸主Aと借主Bは、店舗(賃料30万円(税抜))の賃貸借を検討している。宅建業者XはA・B双方から媒介を依頼されている。業者XはAから27万5千円(税込)、Bから5万5千円(税込)を受領した。この受領は適法か。
解答:適法
合計33万円=1ヶ月分以内
【問5】店舗(賃料20万円(税抜))の賃貸借について、貸主Aは宅建業者Xに媒介を依頼し、借主Bは業者Y・業者Zの2社に共同で媒介を依頼した。報酬を税込X=11万円、Y=5万5千円、Z=5万5千円を受領した。この受領は適法か。
解答:適法
X+Y+Z=22万円(税込)=1ヶ月分以内
【問6】借主Bは、居住用建物(賃料9万円)の賃貸借について、宅建業者Xに代理を依頼した。業者Xが借主Bから受領できる報酬の税込上限額はいくらか。
解答:9万9千円
9万円(=1ヶ月分)×1.1(報酬は課税)
【問7】貸主Aは、店舗(賃料25万円(税抜))の賃貸借について、業者Xに代理を依頼した。宅建業者Xが貸主Aから受領できる報酬の税込上限額はいくらか。
解答:27万5千円
【問8】店舗(賃料30万円(税抜))の賃貸借について、貸主Aは宅建業者Xに代理を依頼し、借主Bは宅建業者Yに代理を依頼した。業者X・業者Yがそれぞれ受領できる報酬の税込上限額はいくらか。
解答:業者Xは 貸主Aからのみ 報酬を受け取れる → 上限:33万円。業者Yは 借主Bからのみ 報酬を受け取れる → 上限:33万円。
【問9】店舗(賃料20万円(税抜))の賃貸借について、貸主Aは宅建業者Xに代理を依頼し、借主Bは宅建業者Xに媒介を依頼した。業者XがA・B双方から受領できる報酬の税込合計上限はいくらか。
解答:22万円。
【問10】使用貸借(通常賃料相当額15万円・非課税)の媒介を業者Xが行った。宅建業者Xが受領できる税込上限はいくらか。
解答16万5千円。
15万円 × 1.1
宅建業法不動産賃貸(貸借)の媒介、代理の報酬・手数料.複数業者の時は?のひっかけ問題と解説
【問1】宅建業者Aが、居住用建物の賃貸借の媒介を行う場合、依頼者の一方から受け取ることができる報酬の額は、事前にその依頼者の承諾を得ていない限り、借賃の0.5ヶ月分に相当する金額を超えることはできない。
解答:〇
居住用建物の賃貸借の「媒介」では、事前の承諾がない限り、依頼者の片方(一方)から受け取れる報酬は「借賃の0.5ヶ月分(+消費税)」が限度となります。
【問2】宅建業者Aが、店舗用建物の賃貸借の媒介について、貸主および借主の双方から依頼を受けた。Aは事前に双方の承諾を得ていなくても、貸主から借賃の0.7ヶ月分、借主から借賃の0.3ヶ月分の報酬を受領することができる。
解答:〇
居住用建物「以外」(店舗・事務所・宅地など)の媒介では、居住用のような「片方0.5ヶ月分まで」という内訳の制限がありません。全体の合計額が「借賃の1ヶ月分(+消費税)」の範囲内であれば、双方からどのような割合で受領しても自由です(0.7ヶ月+0.3ヶ月=1.0ヶ月分なので合法)。
【問3】宅建業者Aが、居住用建物の賃貸借について、貸主から代理の依頼を受け、借主(業者Aの媒介ではない)と契約を成立させた。Aは事前に貸主の承諾を得ていなくても、貸主から借賃の1ヶ月分に相当する報酬を受領することができる。
解答:〇
居住用建物の「代理」には、媒介のような「一方から0.5ヶ月分まで」という内訳の制限がありません。 代理の依頼者(片方)からは、事前の承諾がなくても、最初から法律上の上限である「1ヶ月分(+消費税)」を丸ごと受け取ることができます。
【問4】宅建業者Aが、建物の使用貸借(無償の貸し借り)の媒介を行う場合、借賃が存在しないため、Aは依頼者から報酬を受領することができない。
解答:×
使用貸借の場合は実際に支払われる賃料はありませんが、法的には「通常の賃料(周辺相場など)」を算定基準(家賃)とみなして、報酬の上限額を計算して受領することができます。「受領できない」とする本肢は誤りです。
【問5】事務所建物(月額賃料50万円)の賃貸借について、貸主の媒介業者Xと、借主の媒介業者Yが共同して契約を成立させた。この場合、Xが貸主から30万円、Yが借主から20万円の報酬を受領することは、どちらも宅建業法に違反しない(消費税は考慮しない)。
解答:〇
複数の業者が「媒介」で関わる場合、すべての業者が受け取る報酬の合計額は、「1ヶ月分(50万円)」を超えてはなりません。本肢ではX(30万)+Y(20万)=50万円となり、ちょうど1ヶ月分の枠に収まっているため、双方とも違反しません。
【問6】宅建業者A(消費税課税事業者)が、居住用マンション(月額賃料10万円、月額共益費2万円)の賃貸借について、貸主および借主の双方から媒介の依頼を受けた。事前に双方から承諾を得ている場合、Aが受領できる報酬の合計最高限度額は132,000円である。
解答:×
賃貸借の報酬計算の基準となるのは「借賃(家賃)」のみです。管理費や共益費は計算の基準に含めてはなりません(基準は12万円ではなく、あくまで「10万円」)。事前に承諾を得ていても、双方から受け取る合計額は「賃料1ヶ月分+消費税」が絶対の上限です。
よって、受領できる合計最高限度額は「110,000円」となります(132,000円は共益費を含めて計算してしまっているため誤り)。
【問7】宅建業者A(消費税課税事業者)が、居住用建物(月額賃料20万円)の賃貸借について、貸主から代理の依頼を受け契約を成立させた。この場合、Aが貸主から受領できる報酬の最高限度額は、賃料に消費税が課税されるため、220,000円に消費税10%を加算した242,000円である。
解答:×
「居住用建物」の家賃は、そもそも消費税が非課税です。そのため、家賃そのものに消費税10%が上乗せされることはありません(家賃は20万円のままです)。一方で、「宅建業者が受け取る報酬(仲介手数料)」は、課税サービスであるため消費税が加算されます。
【問8】宅建業者Aが、居住用建物の賃貸借の媒介を行うにあたり、名目に関わらず返還されない権利金300万円の授受がある場合、Aはこの権利金300万円を売買代金とみなして報酬額を計算することができる。
解答:×
「返還されない権利金を売買代金とみなして計算できる特例(計算して高い方を選べるルール)」は、居住用建物「以外」(店舗、事務所、宅地など)の賃貸借に限定されています。居住用建物の場合は、どれだけ高額な権利金(礼金)が動いたとしても、この特例計算は使えません。必ず「家賃ベース」で計算する必要があります。
【問9】店舗建物(月額賃料30万円)の賃貸借について、貸主の代理業者Xと、借主の代理業者Y(別々の宅建業者)が共同して契約を成立させた。この場合、XとYが受領する報酬の合計額は、借賃の1ヶ月分である30万円を超えてはならない(消費税は考慮しない)。
解答:×
「複数の業者が絡んだら全員足して1ヶ月分」という合算制限(総額制限)は、全員が「媒介(第四)」のときにだけ発動するルールです。「代理(第五)」の条文には、別の代理業者との合算制限(総額の縛り)は書かれていません。 代理の合算制限が発動するのは、あくまで「同一の業者が、自分の依頼者と相手方の両方から報酬をもらう場合」だけです。本肢ではXとYという別々の業者が、それぞれ自分の依頼者(片側のみ)から報酬をもらっています。したがって、Xは貸主から30万円、Yは借主から30万円、2社合わせて「合計60万円(2ヶ月分)」まで受領することが合法となります。「30万円を超えてはならない」とする本肢は誤りです。
【問10】店舗建物(月額賃料40万円)の賃貸借について、貸主側には業者Wと業者X、借主側には業者Yと業者Z(計4社、すべて媒介)が関わった。この際、仕事を一番頑張った業者Wが貸主から30万円、残りの10万円をX・Y・Zの3社で適当に分け合って受領することは、合計額が40万円に収まっているため宅建業法に違反しない(消費税は考慮しない)。
解答:〇
宅建業法上、業者間で報酬をどのような比率で分配するかについての制限はありません。チェックすべきなのは、①各自の属するチーム(貸主側・借主側)の上限を超えていないか(店舗なので各チーム40万まででセーフ)、②すべての業者の合計額(30万+10万=40万)が賃料1ヶ月分(40万)に収まっているか、の2点だけです。どちらもクリアしているため完全に合法です。
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宅建士試験講座 宅建業者が自ら売主となる8種制限とは?宅建業法の8種規制一覧でわかりやすく
宅建士試験講座 宅建業者8種制限.他人物売買契約締結の制限(宅建業法33条の2)
宅建士試験講座 宅建業者8種制限.不動産クーリングオフ.事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等(宅建業法37条の2)
宅建士試験講座 宅建業者8種制限.損害賠償額の予定等の制限(宅建業法38条)
宅建士試験講座 宅建業者8種制限.不動産売買手付金の性質・額の制限(宅建業法39条)
宅建士試験講座 不動産取引の売買契約相手方が履行に着手後の契約解除(違約金?手形解除?)(民法・宅建業法)
宅建士試験講座 宅建業者8種制限.契約内容不適合責任(旧:売主の瑕疵担保責任)特約の制限(宅建業法40条)
宅建士試験講座 民法562条・566条と宅建業法40条契約不適合責任~数量・権利の不適合はどこ?~
宅建士試験講座 宅建業者8種制限.不動産(完成物件・未完成物件)売買の手付金等の保全措置
宅建士試験講座 宅建業者8種制限.宅地又は建物の割賦販売の契約の解除等の制限(宅建業法42条)
宅建士試験講座 宅建業者報酬額制限、消費税の取り扱い(宅建業法46条)

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