宅建士とはどんな仕事?宅地建物取引士の仕事内容、魅力、宅建士の転職、就職先.宅建士で稼ぐ方法は?

宅建士(宅地建物取引士)

不動産業界に転職する上で、宅建があると有利だとは、情報として耳にします。しかし、応募要項は「宅建なしでOK」と書かれているものが大半。どっちなのだろう?と考えてしまいます。

宅建の取得は、不動産業界への就職・転職には明らかに有利となります。宅建なしでOKの求人が多いのは、業界の好況を背景にした、恒常的な人手不足のためです。しかし、宅建があればもっと求められる人材となれるのです。

この記事では、宅建士(宅地建物取引士)の仕事内容や転職・就職先、宅建士で稼ぐ方法について解説します。

宅建士とはどんな仕事?宅地建物取引士の仕事内容

宅建士は不動産売買・賃貸取引の専門家として、売主と買主、貸主と借主を仲介する際の国家資格です。高額な不動産取引で、知識のない一般顧客を保護し、不当な契約から守る役割を担うほか、顧客の疑問や不安を解消し、売買や賃貸の判断から契約までをサポートします。

具体的には、仕事の内容として以下のような点が求められます。

  • お客様のニーズを聞き取って、適切な物件候補を選ぶこと
  • 物件選びの判断のサポートをすること
  • コンプライアンスに沿った取引を監修すること
  • 細かな物件説明を通して購買意志の最終確認を行うこと

宅建士になるためには宅建試験=宅地建物取引士試験に合格し、管轄自治体に宅建士として登録する必要があります。令和6年に受験者数が24万人を突破するなど人気の資格です。

試験の合格率は17%前後ですが、充分勉強せずに受験して不合格となる人もかなりの数となるため、不安になる必要はありません。

試験は年1回で7月に出願し、10月が試験本番です。正しい勉強法である程度以上の時間を取って準備すれば、誰でも合格できる試験なので、ぜひトライしてみましょう。

実務経験に基づく宅建士の魅力、仕事の大変さ

宅建の学習で知識を身につけると、一般的なお客様に対して物件選びから必要な費用のアドバイス、節税に至るまで、困りごとの相談に乗れるようになります。大きな買い物、人生を左右する選択ということもあり、感謝され頼られる度合いは大きく、やりがいの大きい仕事です。

ただしそのためには、「この人は信頼できる」と思ってもらえる宅建資格や対人スキルのほか、つねに新鮮な知識が必要です。

物件やエリアの情報だけでなく、年々改正される法令の情報は、たえずインプットしておく必要があることは、大変といえば大変です。不動産の世界で働いていれば、情報への関心度はそれまでと全く変わるので、自然に行うようにはなりますが。

物件やエリアの情報・法令の情報に敏感になれる理由がもう一つあります。宅建士の取得で得た知識は、そのまま私生活にも役立つからです。

個人の経験で言えば、宅建を勉強したおかげで私的に得をしたことは、金額に換算すれば数百万円か、それ以上に及ぶでしょう。これは家を手放した・買った・相続した・売った・借りたなどの際に無駄を節約したり、資産価値を上げたり、節税できた分のお金です。

また、後述しますが未経験から高収入の道が開ける点も魅力でしょう。年収がなかなか上がらず労働時間ばかり増える昨今ですが、不動産にかかわることで、この状況を変えるチャンスができます。

不動産の好況が今後どうなるかは分かりませんが、「人の住まいのお世話」自体は今後も永続的に必要なうえ、空き家や住宅確保困難者など、新たな社会問題に対応していく必要性も出てきました。「住まいは世につれ」なので、ビジネスチャンスは常にあります。

資格と実績を身につけていれば、長く続けていける仕事でしょう。

宅建士で稼ぐには?

不動産会社の勤務では、宅建取得によって資格手当が給与に上乗せされるほか、営業職ほかで顧客からの信頼度が高まります。不動産売買の営業は営業スキルやノルマ、休みが不安定などの大変さはあるものの、未経験から1000万円以上を稼ぐ手段です。また、売買仲介業務を学んで独立開業すれば、経営の苦労はありますが、収入は会社員の比ではなくなるでしょう。

賃貸でも投資家(大家業)のサポートや物件管理を身につけて、自らが大家業で収益を上げることができます。

上記のようなキャリアパスは、すべて宅建士の知識や資格が下地となります。

業界では若い女性も宅建士として手当を支給されながら独占業務を行ったり、産休・育休の際には副業のアルバイトで重要事項説明や書面への記名を行う人がいます。また、サラリーマン大家流行りのいま、宅建業や不動産賃貸業の知識を武器に、中古のアパートを購入する人も。

会社員でも不動産業界のなかでキャリア採用受け入れがあり、かつ最も給与が高いジャンルは、アセットマネージメント(投資家サポート)でしょう。

デベロッパー=開発業も高級取りですが、大企業中心・新卒採用メインで、転職組にはハードルが高いのが難点です。

そして、実は宅建の資格は、不動産以外の業界でもニーズが沢山あります。たとえば以下の業界でも、宅建の資格が求められる・歓迎される求人があります。

  • 金融業界
  • 建築業界
  • 保険業界
  • コンサルティング業界
  • 地方公務員
  • WEBライター

金融業界では住宅ローンなど不動産を担保に扱うことから、建築業界では文字通り建てた建物の販売のために、宅建業の資格が求められるのです。

また、フィナンシャルプランニングや保険のコンサルティングなど、人生設計のサポートを行う業界でも、資産として不動産を扱ううえで、宅建の知識や資格が有効になります。

都市計画や建築基準など行政にかかわる人、このような記事を書くWEBライターにも宅建が必要など、ほかにも活かし方はさまざまです。

さまざまな仕事や働き方を求めるうえで、宅建を武器にするのも良いでしょう。

不動産業界の就職、転職情報

前述のように、リクルートエージェントの公開求人を確認 すると、2023年頃の不動産業界67,796件のうち7,698件が宅建を必要とする求人、 つまり割合にして約90%の求人が「宅建不要」ということになります。

しかし求人で「宅建士歓迎」という文言はよく目にするはずです。不動産業界には、宅建士を必要とする明確な理由があるのです。

まず不動産会社に応募する際に、宅建に合格していなくても「取得を目標に勉強中」と伝えるだけで、応募先の印象は変わります。おそらく履歴書を宅建あり・受験予定とそれ以外で仕分けしていることが多いはずです。

これは、宅建業を行う会社が宅建士の独占業務と設置義務から、絶えず宅建士の採用を求めていることが多いためです。

宅建の資格登録者は、1~2.5万円程度の資格手当が給与に上乗せされることが多いです。また、宅建の取得奨励で祝い金を出したり、資格予備校のための勤務時間を融通してもらえる例もあります。

独占業務:宅建士のみができる「重要事項の説明」「重要事項説明書・契約書面への記名」
設置義務:事務所ごとに「従業員5名に対して専任の宅建士1名以上」を設置する義務

独占業務のアルバイトは契約時に現場に行くことになりますが、リモートの契約業務などであれば、アルバイトの在宅ワークで行っている人もいます。常勤の募集でも土日祝日休の採用もあります(通常は水曜とあと1日シフト休みが多い)

このように宅建士歓迎の不動産業界ですが、「仕事はできるけれど宅建なしの人は?」と問われれば、そういう中年社員はもちろん居ます。昭和の名残という感じで、数は減ってしまいましたが。

50~60歳代で初・不動産業界を目指す場合、宅建資格+たとえば営業や人材マネージメントの実績があれば、採用の可能性は広がります。また、中高年の方の志望先は、対人スキルが求められる賃貸管理や分譲マンション管理が人気となっているようです。

宅建士(宅建取得者)の仕事内容や転職・就職先、宅建士で稼ぐ方法まとめ

宅建士(宅建取得者)の仕事内容や転職・就職先、宅建士で稼ぐ方法について解説しました。

不動産の仕事は、前述のように顧客の信頼を得て、そのサポートをしっかり行うことに意味があり、それができるスキルを身につける最短ルートが、宅建の取得です。

当初はお堅い分野、難しそうなどのイメージがあるかもしれません。しかしご自分の生活にも密着した、活きた勉強だと気づいたとき、面白く魅力に富んだ世界に変わると思います。

>>宅建士独学一発合格した社会人女性の宅地建物取引士資格試験おすすめ勉強方法、テキスト・参考書、学習時間など

>>宅地建物取引士試験独学一発合格した男性のおすすめ勉強方法、宅建士試験内容と宅建士合格の難易度、勉強時間、テキスト、試験本番での問題の解き方など

参考サイト
https://www.agaroot.jp/takken/column/other-industries/
https://studying.jp/takken/about-more/popularity.html

https://tokyo.zennichi.or.jp/kaigyo/manual/manual03/
https://owners-age.com/star-takken/blog/real-estate-agent-no-job/

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